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未来の食肉を支える「人工肉」について【植物肉と培養肉の可能性】

2021年10月26日

今回は「食肉」の未来についての紹介です。

普段食べている牛肉や豚肉、鶏肉はスーパーやお店で簡単に手に入りますよね。

野菜と一緒に食べたり、鍋に入れて食べたり、ステーキにして食べたり、焼き肉で食べたりと、色んな調理法が可能ですし、どれも美味しいです。

でも食肉の生産が実は森林破壊をもたらしている原因になっていたり、CO2増加による地球温暖化の原因の一つになっているという現実もあり。

さらに年々増加する人類の胃袋を賄うための食糧生産、「たんぱく質」をつかさどる食肉の生産が追い付かなくなるという事実、さらに将来起こりえる食糧危機として語られている・・・・

 

つまり!

 

・森林破壊

・地球温暖化

・食糧危機

のようなことが現在の食肉の生産環境では避けられないということになっているのです。

そして!

これを防ぐために近年進められている研究が「人工肉」なのです!

人工肉は文字通り、人工的に作った肉です。

植物を加工して作られたものや、動物の細胞を培養して人工的に肉を作り出すものがあります。

植物加工の肉は「大豆肉」としてすでに商業ベースに乗って売れ行きを伸ばしていますね。

そのあたりのことについてツイートでけっこう濃いめの内容の情報を書いたのですが、今回はそれを追いつつ、元になった情報を補足しながら「人工肉」「培養肉」についての深堀をしていきたいと思います。


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食肉となる牛の増産が地球環境に優しくない理由

まずはなぜ「人工肉を必要としなければいけないのか?」についてです。

・畜産には広い土地や多量の水が必要になるだけでなく、小麦やトウモロコシなどの穀物を飼料にして家畜を育てる場合、その栽培にも広大な面積の農地と多量の水が必要になる

・牛などのゲップにはCO2の約25倍の温室効果があるメタンガスが含まれているため、地球環境への影響も深刻な問題になる

培養肉研究が必要な理由-日清食品グループ

ということが警告として挙げられています。

牛のメタンガスに関しては、次にような問題が具体的に指摘されています。

・地球上には約15億頭の牛がいる

・牛は4つの胃をもつ動物で、大人の牛になると、その容量はおよそ150~200リットルにもなる。

・それぞれの胃の中で食物が分解される過程でメタンガスが発生し、口やお尻から「げっぷ・おなら」として排出される

・その量は1日で160〜320リットルに上る

・メタンガスは世界の温室効果ガス排出量の16パーセントを占めている

・近年の研究でも、メタンガスにはCO2の28倍もの温室効果があることがわかってきた

牛の「おなら」と「げっぷ」を退治せよ──科学者たちの大真面目な温暖化対策

つまり「牛」の生産には、

・餌となる穀物生産がもたらす森林破壊と酸素不足

・牛のゲップやおならがもたらす地球温暖化

の2つがメインのマイナスファクターとして懸念されているということですね。

牛は美味しいですし、欧米では主要な食肉として長年愛されてきています。

でもそれが今のままの供給体制ではいずれ行き詰まりを見せるという事なのです。

これを防ぐための有力な手段として「人工肉」が注目されているということなんですね。

人工肉とはどんなもの?

では人工肉の種類について紹介していきましょう。

今、開発されている肉は2種類あります。

・植物肉

・培養肉

植物肉は主に大豆を使った肉。

すでにアメリカや日本でも実用化されて、スーパーやネットでも購入することができますし、飲食業でも導入している店舗があります。

アメリカで有名なのは「ビヨンド・ミート」という会社の植物肉で、ソーセージやハンバーグが販売されていています(大豆やえんどう豆が主原料だと言われています)

日本ではマルコメが大豆肉を発売しているようですね。

この大豆肉ですが、主原料が大豆なので体に良いし、これで完璧だな!と思いがちですが、意外にこれもそこまで伸びるかといわれれば「?」がつきます。

というのも、植物肉の原料は「大豆や小麦」なので、これを大量生産しようと思えば、結局は牛の穀物生産と同じ問題に行き渡ると思うからです。

では一方の培養肉はどうでしょうか?

・動物の細胞を体外で組織培養することによって得られる

・家畜の肥育と比べて地球環境への負荷が小さい

・広い土地を必要とせず、厳密な衛生管理が可能といった利点がある

このように「研究室で生成できるので広大な牧畜場所や牛舎、そして何よりも家畜の餌になる農場を必要としないというメリット」が大きいと思います。

もともと動物の細胞から発生している肉なので、栄養面でも劣ることはないでしょうし、味なども改良が可能なのでしょう。

国内では日清食品が培養肉の研究を行っており、すでにサイコロステーキの開発に成功したとのこと。

日清食品グループと東京大学 生産技術研究所の研究グループは、ウシ筋細胞に培養過程でビタミンCを与えることで、成熟が促進されることを確認しました。また、厚みのある「培養肉」を実現するために、ウシの筋細胞を従来のように平面的に培養するのではなく、立体的に培養したところ、筋組織に特有の縞状構造 (サルコメア) を持つ、細長い筋組織の作製に成功しました。さらに、筋細胞の集合体を積層し、特殊な方法を用いて培養することにより、2019年に世界で初めてサイコロステーキ状 (1.0㎝×0.8㎝×0.7㎝) の大型立体筋組織を作ることに成功。肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」実用化への大きな第一歩を踏み出しました。

次世代に求められる 「培養肉」を実現せよ 研究室から ステーキ肉を つくる。ー日清グループ公式サイト

サイコロステーキの時点でほぼ完成という気がしますけどね(笑)

さらに日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)では将来の人類の宇宙ステーションの居住を見据えて、2019年に「宇宙食料マーケット」の計画を立ち上げて培養肉を中心とした食料生産の体制確立を進めているということ!(日清の研究もこの一環かと)

その詳細がこちらになります。

リアルテックファンド(本社:東京都港区)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、以下「JAXA」という。)は、株式会社シグマクシス(本社:東京都港区、以下「シグマクシス」という。)とともに、JAXAの共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の取り組みの一環として、宇宙および地球上における食料の生産・供給に関する課題解決ならびにそれに伴うマーケットの早期創出を目指す「Space Food X(スペースフードエックス)」プログラムを始動いたします。

世界初の宇宙食料マーケット創出を目指す「Space Food X」プログラムを始動

培養肉は再生医療の根幹技術である「細胞の再生」を元にした技術なので、医療分野と連携して新たな商品の可能性もあり得そうですね。

楽しみな分野です!

私が人工肉(代替肉)に希望を見いだす理由

私は人工肉に注目する理由は、地球の環境保護や食料自給体制について高い識見をもっているからではありません。

もっと素朴な理由。

それは、

牛や豚、鳥が可哀そうだから

です。

食肉産業や飲食業は動物を殺してその肉を販売・提供することで成り立っています。

それに対してどうこういうつもりもありませんし、自分も日々美味しく頂いています(感謝しています)

ただ動物の肉を「経済動物」と称し、それを「お金」「利益」「株価」の手段や目的として大量生産・大量消費する風潮がどうも好きになれないということなんです。

自分も肉を食べるので人のことは全然言えないのですが、それでも大量の肉を消費させることで利益を生み出す思考というか、「人を笑顔に」とか「美味しい肉を安く」的なキャッチフレーズが偽善に思えてですね。

動物の犠牲に対する感謝の念はないのかという思いがありまして。

まさにこのままで、要は動物の命にもっと「敬意」を払っても良いんじゃないか?と思うわけですね。

もちろん自分も店で肉を食べたり、スーパーで買ってきた肉を調理している時点で「動物の命」を簡単に頂いている身分です。

提供してくれる側にそういった大上段から物を言う立場にないことは重々承知なのですが、それでもなんというか、納得できない部分が感情的にありまして・・・

たぶん年をとってきて生き物に哀れみを覚えるようになったというのもあるのでしょうね。

なので、そういう「矛盾しつつも、わだかまりがある心持ち」のときに「人工肉」の情報を目にして「これだ!」となるのは、自然の流れでして。

人工肉だと動物の命を無駄に殺さなくて良いですし、地球環境にも優しい。

これ以上の方法はないんじゃないかと思ったわけで。

そういう思いの上で、今回の記事を書いたという流れですね。

最後に

今後の地球環境と食糧事情の抜本的な解決になりえる「人工肉」は、動物好きの自分としても「夢の食料」という気がします。

実際にはまだまだ改善の余地があったり、実用化するにはクリアしなければならない部分が多くあると思うのですが、それでも確実に未来はこの流れに沿って向かっていると思います。

地球上だけではなくて宇宙ステーションにまで目を向けているのですから、ほぼ確実に将来は「培養肉」の時代になると確信しています。

その日のために自分の細胞を提供して「マイミート」を美味しくいただくという、トリッキーな自己完結食材もありかなと妄想したりして(笑)、明るい希望に満ちた食料供給の未来を今から楽しみに待っています。

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