金融と経済と英語の学習備忘録ブログ

金融・経済の知識と英語を学ぶ

注目企業

国内のフードテック企業まとめ3選【就職・転職・投資】

2024年3月27日

フードテックは、食品の生産、製造、加工、流通、販売、消費などの過程において、科学技術や情報技術、工学などを活用した食品技術です。

人口増加や食料不足を解決するための技術として、近年は注目を浴びています。

今回は数あるフードテック企業の中で「クリーンミート(培養肉)」を扱う国内企業を取り上げました。

環境問題や食料問題、動物福祉に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

*クリーンミートに関しては記事末に過去記事を掲載しています。

※本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります

フードテック国内企業まとめ3選

日清食品ホールディングス

即席ラーメンのトップランナーです。

カップ麺の国内シェアは5割を超える強さを誇ります。

高たんぱく・低糖質のカップ麺、乳酸菌飲料「ピルクル」など健康食品・飲料にも幅を広げているほか、クリーントミート(培養肉)の研究・開発にも力を入れています(以下、公式サイトより)

・世界的な人口増加や新興国の経済発展に伴って食肉需要が急速に拡大し、国連食糧農業機関 (FAO) によると2050年には2007年比で1.8倍に達すると予測されている

・「培養肉」とは、従来の食肉の代わりとなる「代替肉」の一つで、動物の細胞を体外で組織培養することによって得られる肉のことです。

・サステナブルな食材として世界中で注目されており、「培養肉」を含む「代替肉」が食肉市場に占める割合は、さらに拡大していくと見られる

・畜産には広い土地や多量の水が必要になるだけでなく、小麦やトウモロコシなどの穀物を飼料にして家畜を育てる場合、その栽培にも広大な面積の農地と多量の水が必要

・牛などのゲップにはCO2の約25倍の温室効果があるメタンガスが含まれているため、地球環境への影響も深刻な問題

・「培養肉」は、衛生管理が徹底された環境において、無菌状態で細胞培養することによって作製される

・そのため、細菌やウイルスによる汚染リスクが少なく、畜産肉に比べて食中毒のリスクを大幅に低減することができる

・日清食品グループは、最も高度な技術を要する「培養ステーキ肉」の研究を進めている

研究室からステーキを作る-日清食品ホールディングス公式サイト

高まる肉の需要と比例して畜産がもたらす食料供給の限界や環境への負荷、高まる動物福祉の解決策として「培養肉」は未来の食肉として大きく期待されています。

もしこれに成功すれば大きなマーケットシェアが期待できるだけに、今後の研究成果に期待したいところですね。

【設立】

1948年9月

【上場】

1963年10月

【本社】

東京都新宿区新宿6-28-1

【決算】

3月

【公式サイト】

https://www.nissin.com/jp/about/nissinfoods-holdings/

日揮ホールディングス

エンジニアリング(製造設備)の日本最大手の企業です。

国内外の石油精製プラント、石油化学・化学プラント、LNGプラント、天然ガス処理プラントなどを主に手掛けているほか、医療や製薬のライフサイエンス分野にも実績があります。

2022年1月にクリーンフード(培養肉)の新会社「オルガノイドファーム」を設立(以下、公式サイトより)

・日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、国内EPC事業会社である日揮株式会社(代表取締役社長 山田 昇司)が、このたび動物細胞を培養して食肉を生産するクリーンミート(培養肉)の商業生産を目指し技術開発を行う新会社を設立しましたので、お知らせします。

・本技術開発では、横浜市立大学武部貴則特別教授(東京医科歯科大学教授、シンシナティ小児病院准教授を兼任)および、順天堂大学赤澤智宏教授が開発した、食肉組織から特定の幹細胞を取り出し、効率よく培養して食肉オルガノイド*4と呼ばれる組織体を作成する手法を世界で初めて適用します。開発にあたっては、横浜市立大学の保有するオルガノイド作成技術を食料生産へ応用するための特許ライセンス契約を締結し、商業化に向けた検討を行います。

・クリーンミートの大量生産を実現するためには、製造コストの低減や製造規模の拡大が不可欠であり、設立した株式会社オルガノイドファームでは、今後外部の知見も活用しつつ、当社グループが医薬品分野を通じて培ってきた細胞培養関連技術や大規模生産を可能とする工程の自動化・効率化などのエンジニアリング技術力を駆使し、栄養改善などを実現する高機能・高付加価値なクリーンミート生産技術の確立を目指します。2030年に商業プラントの運転開始を予定しています。

クリーンミートの商業化に向け、オルガノイド技術を世界で初めて適用した技術開発を開始

日清食品とは違ったアプローチで培養肉の生成に取り組むようです。

本体がエンジニア大手ということなので、生成プラント製造や管理面で研究開発に有利に進むかもしれませんね。

こちらも注目度大です。

【設立】

1928年10月

【上場】

1962年5月

【本社】

横浜市西区みなとみらい2-3-1

【企業ホームページ】

https://www.jgc.com/jp/

島津製作所

分析計測機器、医療画像診断機、航空産業機器の大手メーカーです。

産業機器ではトップクラスのブランドになります。

半導体製造装置向け「真空ポンプ」では世界シェアの4割超を占めており、AI・IoT・ロボティクスを含めた汎用性の高い共通技術の開発、IPS細胞を用いた細胞療法の開発も積極的に行っています。

食肉の代替案として「培養肉」研究にも注力しています。

2021年には大阪大学大学院工学研究科と共同で研究を進めており、プレスリリースもいくつか発表(以下、公式サイトより)

・藤森工業株式会社、TOPPANホールディングス株式会社、株式会社島津製作所の3社は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「バイオものづくり革命推進事業」に対して「細胞性和牛肉の社会実装に係る研究開発(以下、本研究)」を共同提案し、実施予定先として採択

・国立大学法人大阪大学、国立大学法人東京大学、学校法人東京女子医科大学、学校法人東京農業大学、一般社団法人細胞農業研究機構(JACA)らとともに、オールジャパン体制で研究開発に取り組む

・3社は、2025年を目標に培養肉を提供するための技術開発に取り組む

・2027年度末に2,000ℓスケールの大量培養技術を確立し、喫食可能な細胞培養用培地の大幅なコストダウンを実現し、さらに社会実装に向けて、2029年には培養肉製造の事業化、2031年には事業収益化を目指す

「細胞性和牛肉の社会実装に係る研究開発」が NEDO「バイオものづくり革命推進事業」に採択-島津製作所ホーム―ページ

肉そのものではなく、製造に関わる機器の開発面で島津製作所は参加するようですね。

同社の強みを存分に発揮できるのではと大きく期待しています。

【設立】

1917年9月

【上場】

1949年5月

【本社】

京都市中京区西の京桑原町1

【決算】

3月

【企業サイト】

https://www.shimadzu.co.jp/

まとめ&クリーンミートの過去記事リンク

クリーンミートはヨーロッパで始まり、アメリカで発展した新技術です。

食料供給や環境破壊の防止、動物福祉の点で多くの賛同者がいる一方、研究室で作られた肉への忌避感も相当にあります。

その意味で世界的にも評価の高い日本の大手3社が取り組むことで、クリーンミートへの信頼性が他にも増して高まるのではないかと期待しています。

個人的には動物好きなので、全てとはいはなくても、できるだk多くの家畜が苦しみから解放されることを願いつつ、今回の記事をまとめました。

この業界や企業に興味を持ち、就職や転職、投資の面で参加してもらえるなら、一人の動物愛好者として嬉しく思います(私は投資の面で協力していくつもりです)

「クリーンミート 培養肉が世界を変える」本の感想と要点まとめ

続きを見る

米国株に強い株式投資アプリ「ウィブル」情報の紹介

続きを見る

-注目企業

Copyright© 金融・経済の知識と英語を学ぶ , 2024 All Rights Reserved.